なぜ原子力発電なのか

世界のエネルギー需要は、経済成長に伴って急速に増加しています。今後も、発展途上国の経済成長と人口増加で、一層の増大が予想されています。今、世界のエネルギーの大部分は石油や石炭等の化石燃料で賄われていますが、その資源には限界があります。また、地球環境という観点からも化石燃料の使用量の増加は好ましくありません。
そこでいま原子力発電が注目されています。二酸化炭素による地球温暖化対策がここのところ叫ばれています。クリーンエネルギーの原子力発電は地球環境に優しいと発電なのです。

原子力発電の特徴

原子力発電の燃料であるウランは、火力発電の燃料である石油や石炭、天然ガスに比べて少ない量で発電することができます。
例えば、100万kWの発電所を1年間運転するため、火力発電では146万トン(20万トンタンカー7.3隻分)の石油が必要ですが、原子力発電なら21トン(10トントラック2.1台分)のウランで済みます。
つまり、原子力発電は、石油火力発電と比べ、6万分の1以下の容量の燃料で同じ量の電気を発電することができ、輸送や貯蔵も容易ということになります。

ウラン燃料のリサイクル

原子力発電で使い終わった燃料には、消費されなかったウランや発電の過程で新しく生まれたプルトニウムなど、まだ使える貴重なエネルギー資源が含まれています。「ウラン燃料のリサイクル」とは使い終わった燃料からプルトニウムを回収し、再びウラン・プルトニウム混合燃料(MOX燃料)として現在の原子力発電所で再利用することをいいます。
ウラン・プルトニウム混合燃料とは、使い終わった燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて作った燃料のことです。一般的にMOX燃料といいます。これは「Mixed Oxide Fuel/混合酸化物燃料」を略したものです。

核分裂と制御のしくみ

原子力発電所の燃料には、ウランを使用しますが、このウランには核分裂しやすいウラン235と核分裂しにくいウラン238があります。
ウラン235の原子核に中性子があたると、その原子核が分裂し、その時大きな熱エネルギーと、平均2〜3個の中性子が発生します。これを核分裂といいます。この時放出された中性子は、別のウラン235に当たって核分裂をおこします。このように次々と核分裂反応が持続されていく現象を「核分裂の連鎖反応」といいます。
ウラン235は、天然ウランのなかには約0.7%しか含まれていません。残り約99.3%はウラン238です。原子力発電所では、ウラン235を約3〜5%に濃縮した低濃縮二酸化ウランを燃料として使用しています。

原子力発電